ブロックプリントの歴史とMOJORAの由来
こんにちは。
今日は、世界中の人を魅了するブロックプリントの背景について、少しシェアしてみたいと思います。
ブロックプリントとは木版、つまり木を彫って作ったスタンプに、版画と同じ要領でインクをつけて、布に押した印刷のことです。
起源を辿ると、木版の始まりは4000年の時をさかのぼって、中国書物の印刷が始まりのようです。そこからインドの木版文化を辿ると、時代は16世紀のインドのムガル帝国時代まで進みます。中東のオスマン帝国やヨーロッパの神聖ローマ帝国などと同じ時代で、18世紀半ばのイギリスによる植民地化まで、長く続くムガル帝国時代の中でさまざまな文化が栄えました。ちなみに日本は室町〜江戸の時代です。
ムガル帝国は比較的安定平和な時代が続いたことによって経済が拡大し、現在でも観光名所になるようなフマーユーン廟やタージ・マハルのような建築、絵画、文学、織物など、今の私たちが知るインドの基盤はこの辺りにできたようです。
これらの文化は、時の統治者によって王朝全体に広く取り入れられ、その中の一つの木版印刷により、繊維産業全体が繁栄したと言われています。
そしてこの時代に伝わった手作業による技法は、現在に至るまでほとんど変わっていません。およそ400年以上受け継がれる文化って、改めてすごいですね。変わらなくても需要があり続け、そして今でも愛されるこの文化は未来永劫変わらないでほしいです。
印刷の技法は3つ、
- ダイレクトプリント
- ディスチャージプリント
- レジストプリント
ダイレクトプリントは版画と同じ、直接木版に染料を塗って生地に印刷するものです。
ディスチャージプリントはすでにカラー印刷した生地に、ブリーチ剤を塗った木版を押して、その部分の色を抜く手法。
そしてレジストプリント、これは木版にワックスをつけて布にワックスを押し、その上から全体をカラー印刷し、最後にワックスを剥がして白い部分が残る、という手法です。
最後のレジストは初めて知ったんですが、数作るのは大変そうです。現在ではシルクスクリーンのブロックプリント風な生地も作られていますが、実際見るとやっぱりハンドプリントの方がいいな〜と感じます。
なんなんでしょうね、プリントははみ出てるし、ちょっとしたシミもあるし、色むらもあるんですけど、やっぱり人の温かみなんですかね。そもそもそこが世界中で愛されるこの生地の最大の特徴なのかもしれません。
最後にMOJORAの由来ですが、世界史とか世界の不思議とかギリシャ神話好きなので、そこから考えました。
まずmojoraのmojoは、元々ブードゥー教の魔除けのお守りや呪術という意味でした。後にアフリカ系アメリカ人によって”秘められたパワー”や”生命力”という意味に変化し、使われるようになりました。こういった目に見えないパワーみたいなものに助けを求める、人間の想像力が無限なところが一番面白いです。
そしてmojoraのベースは上の画像にある、ギリシャ神話の糸を司る女神moiraです。厳密には糸の神ってわけではないんですが、人の運命を糸に割り当て、紡ぎ、断ち切るっていう、神話らしいストーリーがあります。
”糸から紡ぎ出される秘められたパワー”、しっくりときちゃいました。
古代から使われる繊維は現代も必要不可欠で、今では生活必需品以外でも様々なものに形を変え、私たちの生活を彩っています。そんな彩りを作る素材や商品を提供するお店として、楽しんで頂ける運営をしていきたいと思います。
長い文章になってしまいましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。
今日も素敵な1日を。